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町物(京都・江戸)と浮世絵(その一・応挙) [洛東遺芳館]

(その一) 京都町物(応挙「虎図」)

虎一.jpg

応挙筆「虎図」(洛東遺芳館)

www.kuroeya.com/05rakutou/index-2014.html

虎は龍と対になって勢いある姿に描かれるのが伝統的です。応挙もそのような虎を描いていますが、一方で、応挙独自の虎を展開して行きます。応挙全盛期の天明三年(1783)四月に描かれたこの虎は、龍とは対にならず、草地の上でくつろいでいて、まさに応挙的な虎の傑作と言えます。応挙は実際の虎を見たことはなかったので、全体的な姿はリアルではありませんが、毛描きによる質感表現は絶妙です。

 「浮世絵」に比して、「町物」という言葉は未だ一般には通用しない、特殊な用語の部類なのかも知れない。意味するものは、「公家文化(公家時代の書画など)」=「公家物」、「武家文化(武家時代の書画など)」=「武家物」とすると、「町人文化(浮世絵師・町絵師時代の書画など)」=「町物」というようなことである。
 そして、この「町物」の代表的なものは、江戸時代の江戸(東京)で、今に、世界に通ずる日本文化の一翼を担っている「浮世絵」の世界ということになろう。
この「浮世絵」に携わった絵師などを「浮世絵師」とすると、「浮世絵師」というジャンルではなく、「町絵師」による「公家物」「武家物」(さらに「五山文化」=「僧侶物」)などに携わった世界が、これが、いわゆる、京都の円山応挙を祖とする「円山四条派」の世界と見做して大筋差し支えなかろう。
そして、「浮世絵」が大流行した江戸(東京・関東)においても、京都の応挙に匹敵する、
「酒井抱一・谷文晁・渡辺崋山など」の、狩野派の御用絵師ではなく、当時の一般人(町人など)に支持された、その出身を問うことなく、いわゆる「町絵師」が、「浮世絵師」に匹敵する、いや、それ以上の多種多様な世界を構築していたということなのである。
 これらを、「浮世絵」に伍して、江戸(関東)と京都(関西)に二分して、それぞれ「江戸町物」「京都町物」と二分して、「浮世絵」「江戸町物」「京都町物」の三区分で、その上に、京都の、「公家文化=御所」ではなく、その「武家文化=二条城」ではなく、その「僧侶文化=相国寺」ではなく、その「町人文化=洛東遺芳館」という観点で、この「洛東遺芳館」の、これまでの展示などをフォローしていきたいのである。

 その上で、「浮世絵」「江戸町物」「京都町物」での三区分ですると、その「京都町物」のその筆頭格は、この応挙の「虎図」ということになるが、これは、単に、その三区分以上に、その、三区分の「浮世絵」「江戸町物」「京都町物」の全てを象徴するような作品の一つとしてとらえたい(これは、例えば、「二条城」の「武家文化」を象徴する「障壁画」の「虎図」に対するアンチテーゼの、応挙の「京町衆(柏原家)」への、それへのメッセージとしての「虎図」と解したいのである)。

補記一 「武家物」の「虎」(襖絵)→「狩野甚之/竹虎図/二条城二の丸御殿」

http://nico-wisdom.com/newfolder1/fusuma-nijyoujyou.html

補記二 モノを描く : 16世紀における「絵画の変」)

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/53317/jjsd47_051.pdf

補記三  扇面画の美術交渉 ― 日本・中国からフランスへ ―

www.kansai-u.ac.jp/Tozaiken/publication/asset/bulletin/46/kiyo4604.pdf

補記四 応挙と応挙工房周辺

http://yahan.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306134552-1


コメント(4) 
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コメント 4

middrinn

玉稿のカテゴライズも興味深いですけど、
この虎は「くつろいでい」る感じがして、
虎なのに何故か可愛いですね(^_^;)
by middrinn (2017-12-14 16:32) 

yahantei

久しぶりです。芦雪の虎や猫も愛嬌があったけど、応挙の虎も可愛いのがありますね。洛東遺芳館には、円山四条派だけでなく、浮世絵など江戸・関東のものも多い感じ。それに触れるのには、無理筋の「町物」が似合う感じ(?)
追伸 前に紹介のあった「名古屋・芦雪展」、足を伸ばすのは億劫でしたが、見てきました。ついでに、久しぶりに、名古屋城の障壁画を見てきした。「武家物」は、その時の、思いつきです。そのうちに、お邪魔します。
by yahantei (2017-12-15 09:08) 

middrinn

名古屋まで行かれましたか(゚ロ゚;)マジ!?
それは凄い行動力ですね(^_^;)
yahantei様なら、実際に御覧になられて、
色々と得られるものがあったでしょうから、
今後の記事を愉しみにしております(^^)
by middrinn (2017-12-22 19:04) 

yahantei

久しぶりの名古屋も、イメージが一変していました。地下街から美術館直通、さながら、六本木周辺の美術館かと、そんな感じでした。二十周年記念とか、スタッフの方も大変だったろうと思います。
また、情報など、よろしく(絵文字)。


by yahantei (2017-12-25 17:43) 

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