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応挙工房周辺(大乗寺(その十四「嶋田元直」他) [応挙]

その十六 大乗寺(その十四「嶋田元直」他)

平安人物誌.jpg

『平安人物志』(安永四年版・画家の部)

上記の「画家の部」の五人の記載は次の通りである。

藤応挙 字僊斎 号僊斎 四条麩屋町西エ入町 円山主水
(円山応挙 1733~1795 )
滕汝鈞 字景和 号若冲 高倉錦小路上ル町  滕 若冲
(伊藤若冲 1716~1800 )
池魚名 再出(注・「書道」の部と再出)    池野秋平
(池大雅  1723~1776)
謝長庚 字春星 号三菓 仏光寺烏丸西エ入町 与謝蕪村
(与謝蕪村 1716~1783 )
紀元直 字子方 号鸞洞 新町綾小路下ル町  嶋田内蔵助
(嶋田元直 1736~1819)

 この安永四年(一七七五)版の『平安人物志』の「画家の部」に記載されている五人は、当時の「平安(京都)」の、「画家五人衆」と解して差し支えなかろう。「円山応挙→伊藤若冲→池大雅→与謝蕪村」、それに続く、「紀元直(嶋田内蔵助)」とは、天明七年(一七八七)の、応挙の大乗寺障壁画(第一次)に取り組む、その画人の内、応挙に次いで出てくる「嶋田主計頭四位元直」その人である。

 『平安人物志』(平安四年版)に出て来る「嶋田内蔵助」は、応挙の大乗寺障壁画に係わる文書の「嶋田主計頭四位元直」とは、全くの同一人物で、単に、「内蔵助」から「主計頭」への、その役職が上に行ったことを示しているということに他ならない。

書簡二.jpg

(「大乗寺文書・部分=書簡A)応挙書簡・襖絵依頼と費用覚 天明七年、寛政元年、天明四年(辰)

 天明七年(一七八七)の、大乗寺障壁画(第一次)に参加した六名の画人(円山応挙・嶋田元直・呉月渓・山本守礼・秀雪亭・円山応瑞)である。

書簡三.jpg

(「大乗寺文書・部分=書簡B)呉春、嶋田元直、山本守礼、秀雪亭、應瑞書簡(画料受取)

 上記の、大乗寺障壁画(第一次)に参加した六名の画人のうち、応挙を除いた五名の、その折りの「画料受取」の書簡である。
 嶋田元直のものは、「御襖花鳥挨拶金千弐百疋/送リ被下辱落手仕候以上/九月八日 嶋田主計頭」とあり、「花鳥画」の襖を描いた、その画料の受け取りの書状である。しかし、この嶋田元直の「花鳥画」の襖絵だけが現存しない。
 このことについて、「行方知れずの絵」として、次のようなことが、紹介されている。

http://museum.daijyoji.or.jp/05temple/05_09.html

「大乗寺客殿建築後20年ほど後、裏山に地崩れがあり、客殿の山側の3部屋に被害を受けたようです。壊れた3部屋は客殿では住職の私的な部屋で、それぞれ「牡丹の間」「竹の間」「雪の間」の名が付いていました。その後、壊れた部分の資材の一部はもらわれて行き、豊岡の福田での寺の建築に利用されたといいます。応挙が大乗寺から襖絵の依頼を請けた際の書付が残っており、そこには制作にあたるメンバーに当時人気の絵師であった島田元直の名があります。しかしながら現在の大乗寺には元直の絵は1枚も残されていないのです。壊れた3部屋に描かれていたといわれる牡丹、竹、雪の絵は島田元直の筆によるものではないかと思われます。 もらわれていった資材の中に島田元直の絵も混じっていたのでしょうか? 豊岡福田の寺では1995年頃の改築時にいらなくなった廃材を焼却したということです。」

 嶋田元直は、元文元年(一七三六)生まれ、文化二年(一八一九)に没、八十四歳と、冒頭の「画家五人衆」の中では、最も長命であった。本姓は紀、名は元直、字は子方、号に、鸞洞・後素軒など。もともとは、嶋田家は院長官を勤めるなどの公家。元直は従四位下主計頭となる。円山応挙に画を学び、寛政二年(一七九〇)の御所造営にも応挙一門として参加している。


補記一 大乗寺文書について

http://museum.daijyoji.or.jp/03mokuro/03_06.html

補記二 「平安人物志」上の嶋田元直について(「明和五年版・安永四年版・天明二年版・文化十年版)

http://tois.nichibun.ac.jp/hsis/heian-jinbutsushi/jinbutsu/11499/info.html

補記三 高精度画像でみる円山派の筆づかい(図一 嶋田元直筆「遊鯉図」)

http://museum.kwansei.ac.jp/guidance/wp-content/uploads/sites/5/2014/04/b2ca0ae2cb6d3785217d929af82e96a9.pdf

補記四 応挙書簡(大乗寺文書)天明七年(一七八七)・天明四年(辰・一七八四)の上半分→翻刻文

応挙工房周辺(大乗寺(その五 遊鯉図)) [応挙]

http://yahan.blog.so-net.ne.jp/

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